立春と日本茶と八十八夜
2019.02.04 BLOGまだまだ寒い日が続いていますが、暦の上では今日から「春」。
日本茶の世界では、この日はとても意味のある日で、
立春から数えて八十八夜目(例年5月2日頃)が新茶を摘み始めるのに最もふさわしい日。
とされています。*地域や気候により新茶の時期に違いはあります。
農作業者のための日本の暦「雑節(ざっせつ)」
日本には、雑節(ざっせつ)という暦日があります。
雑節は二十四節気(にじゅうしせっき)や五節供(ごせっく)のように中国から伝わったものではなく、日本の気候風土や生活文化から生まれた日本独自のものです。
主に農作業と照らし合わせた季節の目安となっており、つくられた背景には「農家が季節の移り変わりを正確に理解できれば、農作物に大きな損害を出さずにすむ」という自然と農業との深い関係がありました。
一般的に雑節と呼ばれる日は9つあって、
*詳細は下記wikipedia「雑節」からどうぞ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%91%E7%AF%80
・節分(2月3日)
・彼岸(3月20日・9月23日頃)
・社日(3月17日・9月23日頃)
・八十八夜(5月2日頃)
・入梅(6月11日頃)
・半夏生(7月2日頃)
・土用(1月17日・4月17日・7月20日・10月20日頃)
・二百十日(9月1日頃)
・二百二十日(9月11日頃) の9つ。
冒頭にも書いた八十八夜は、春と初夏の境目として茶摘みはもちろん、田植えや種まきなど農作業が一段と忙しくなる季節として区切られていました。
またこの時期を表すことわざとして「八十八夜の別れ霜」がある通り、この日からは霜が降りることはなく安定した気候が訪れると言われています。
まさに先人たちが長い間培ってきた知恵と経験の集約ですね。
八十八夜に摘まれたお茶は旨味成分たっぷりの縁起物!
そんな八十八夜目に摘まれる新茶。
“八十八”は、末広がりの「八」が2つあることから縁起が良いとされ、古くから新茶を飲むと一年を災いなく過ごせると言われています。
実際にお茶の葉は冬の寒い時期にゆっくりと養分を蓄え、春になると芽を出し始めます。
そして新芽が芽吹いた葉からつくった新茶には、その後に摘まれる二番茶や三番茶よりも、栄養価やうまみ成分が多く含まれているのです。
新茶は香りが抜群に良く、テアニンという成分が豊富に含まれているのも特徴です。
テアニンはアミノ酸の一種で、いわゆる旨味成分なのですが、リラックス作用がありストレス緩和や睡眠の質を改善する効果も期待できると言われています。
そういえばお茶を飲むと「ほっ」とするのは、このテアニンの効果かもしれませんね。
2019年の八十八夜はいつ?
今年の八十八夜は、5月2日(木)。
*北限のお茶と呼ばれる宮城県石巻産「桃生茶(ものうちゃ)」の茶摘みは、百八夜(5月22日頃)と言われています。
お茶に携わるわたしたちとしても、美味しいお茶を作ってくれる全国の茶農家さんへ想いを馳せながら新茶が飲める日を心待ちにしていきたいと思います。
ああ、待ち遠しい!
P.S. OCHACCOの新茶「センチャヌーボー」今年も出ます!
最後に、昨年も新茶を記念して発売をしたOCHACCOオリジナルの新茶「センチャヌーボー」が今年も発売されます!
今日から88日後、新茶の時期にはぜひまたOCHACCOのサイトにアクセスしてみてくださいね!